日本ベッドの歴史(1):創業前夜

日本ベッドは2026年に創業100年を迎えます。
明治から大正の時代、まだ日本が畳と布団の睡眠環境しか知らなかったころ、イギリスへ渡り「ベッドで眠る」というライフスタイルに驚きと感銘を受けた一人の日本人がいました。それが日本ベッド創業者 宇佐見竹治です。
宇佐見竹治、創業前年に皇室の軍馬買付に
これは、創業の前年である1925年(大正14年)、日本ベッドの創業者 宇佐見竹治が、秩父宮殿下の白馬買付に随行申し上げたときのものだといわれる写真です。

1925年に英国の王立植物園内で撮影されました

画像左端の赤丸が宇佐見竹治です
その頃、宇佐見竹治は商社マンとして英国に赴任していました。
英国赴任の裏には、竹治の向上心と弛みない努力がありました。
竹治が語学習得に励んだ帝国ホテル時代
明治末期、創業者の宇佐見竹治は、帝国ホテルにページボーイとして勤務し、休みの日には自らの英語の力を磨くような毎日を送っていました。
当時、竹治が英文でつけていた日記が残っています。

日記を見ると、ホテルで伊藤博文氏を見掛けたことや、必要な買い物の控えなどが英語で記されています。ときには彼のリンカーンと自分を引き比べ、怠けてしまった自分の人格を恥じるような文章も。
常に高い志を持って己を鼓舞し、怠惰を反省し、勉強に励んでいた様子が読み取れます。



10年ほどのホテル勤めの後、英語力を身に着けた竹治は、1914年(大正3年)27歳のときに商社マンとして英国に赴任しました。

(英国に赴任した27歳の頃)

商社で馬毛などを扱っていた関係があったのでしょうか、この後、上の写真のように、秩父宮殿下の白馬買付に随行申し上げる機会を頂戴しました。
日本羽根工業社の創業
英国生活で、西欧のライフスタイルに新鮮な驚きを覚え、殊にベッドでの睡眠がもたらす心地よさに感動した竹治は、この索晴らしい寝具を日本に広めたいと願いました。
ホテル勤務を通して「お客さまが心地よく過ごせること」に心を砕き、人々が気持ちよく寝めることの大切さにも気づいていたのでしょう。
帰国後、竹治は、畳と布団の睡眠スタイルに慣れ親しんだ日本人に合うよう、ベッド&マットレスという寝具のスタイルを研究。1926年(大正15年)、日本ベッドの前身「日本羽根工業社 – JAPAN BEDDINGS MFG.CO., LTD.」を興しました。
これが、日本でのベッドの歴史の始まり。ちょうどこの年、元号が大正から昭和と改まります。
sleep as life
眠りから暮らしを考える
Since 1926
日本ベッド創業以来の思い。
それは暮らしに寄り添い、よい眠りのためにできるすべてを追求すること。
機械つくりからこだわったマットレス。
空間を豊かにしつらえるベッドフレームや質の良い寝装品。
そのひとつひとつが、性能という価値を超え、上質な毎日をかなえるものへ。
わたしたち日本ベッドは、90余年の年月を積み重ね、
いま、100年への歩みを進めています。
sleep as life 「眠りから暮らしを考える」会社として。